泣きながら学ぶ!「いきたひ」長谷川ひろ子監督の講演!


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2月24日に看取りをテーマにしたドキュメンタリー映画「いきたひ」の上映と監督の長谷川ひろ子さんの語り&大ベストセラー「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著書で医師の中村仁一先生のコラボ講演というとっても贅沢な講演会がKKRホテルでありました。

 

職場の訪問看護ステーションの研修も兼ねた講演でしたが、カウンセリングに来ていただいているお客さんやそのご家族11名の方も参加していただきました。


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このドキュメンタリー映画を撮られた長谷川ひろ子さん(フリーアナウンサー)は10年前、薬学博士だった夫を耳下腺癌で亡くされています。夫を最後まで看病し、四人の子供さんとともに自宅で看取りをされた長谷川さん。

 

その闘病から看取りの場面までをドキュメンタリーにした映画には悲壮感はなく、ただただ強烈に五感で”生と死”を感じる映画でした。

 

長谷川さんは"死を五感で受け取らないと死が伝わらない。死を通して生まれることを学ぶことが大切”と言います。

 

★今の日本のでは医師にとって「死は敗北」と捉えれがちです。だから最後まで治療に執着することが多いです。

★ 病院での医療は死の直前まで「どう死なせないか」に集中したケアが行われます。

★救急車に乗って病院に運ばれたらその人は”お父さん”でなく”患者さん”になってしまいます。

★機械やチューブが入った患者さんはいつも家族と一緒には過ごせません(医療側の都合での制限が結構かかります)

★人生の最後で見る景色は病院の天井だったりします。

 

長谷川さんは語ります。

 

人生が旅なら最後は家に帰ってくるでしょう。

自宅での看取りは「どうやって死なせないか」でなく、「どう生ききるか」を貫くことが出来るんです。

亡くしてからの49日があるように、亡くなる前の49日という人生の最終章もあります。

この最終章を誰とどんな風に生きるか(暮らすか)に目を向けて欲しい。

 

ガンだから死ぬ、病気だから死ぬんでなく、生まれてきたんだから死ぬんだということを忘れないでほしい。

 

映画を観た同僚の看護師は「あまりにも情報が多くてすぐに処理できない」と言っていました。

そう。長谷川さんの映画と語りのメッセージはちっとも難しいものではないんですが、その一つ一つの言葉の深みと広がりがあまりにも大きくてすぐには言葉にまとめられないものがありました。

 

死を通して生を見つめるということ

死を通して自分や家族が生かされるということ

わたしはどう生きたいのか?

どこに向かって生きたいのか?

 

死を見つめることは生きることをみつめることでもあります。

 

私は看護師としてでなく、人としてどう死と向き合うのか?

生きてる間に誰と何を分かち合えるのか?

等本当に頭いっぱいになりました。

 

長谷川ひろ子さんの映画&講演は全国、海外でもたくさんされています。

また、どこかで上映されることがあれば是非たくさんの方に見ていただきたい、聞いていただきたい講演です。

 

中村仁一先生の講演については次回にお伝えしまーす!